ニッティングバード

ニット専門のウェブマガジン

強撚糸の世界

手編みではあまり聞くことのない「強撚糸(きょうねんし)」ですが、「機械編み」や「織物」の世界ではよく使われます。編み立てをしてスワッチを作ってゲージを取ってから→サイズ通りぴったりと作るのが普通の作り方ですが、「強撚糸」は狙って作ることが難しく、半分偶発的にデザインをすることが出来るのが特徴です。「意図的なもの」と「偶発的なもの」両方を知ることで「ニットのデザイン」の幅が広がります。強撚糸ってなに? まず「撚糸」についてわからない方は過去記事→「撚糸について」を参照してから続きを読むと理解しやすくなります。強撚糸は糸に必要な撚り(ねじり)を、S方向もしくはZ方...

大切な人の形見のセーターの編み直しを巡る旅

ある時、千葉県在住のMさんから「ニットのお修理をして欲しい」とのお問い合わせが来ました。私たちニッティングバードは手編みから機械編みもやります、また糸からデザインをして製品を作ることも出来ます。しかし、ニットのプロであるとはいえ「お修理」とはなると話は別です。本業ではありませんが、ほとんどのお修理屋さんで断わられてニッティングバードにご依頼がきました。私たちがやらなければおそらくはこれは誰も出来ないだろうという理由と「ニットで世界をやさしく」というコンセプトを掲げている身として引き受けさせていただきました。ここからお修理の旅が始まります。...

家庭用編み機の歴史とこれから

今回の記事はニット、テキスタイルアーティスト/家庭用編み機研究家の宮田明日鹿さんと一緒に「編み機についてもっと知ってもらいたい、編み機を復活させたい」と話していたことから協力して記事を書いてもらい、最後に私たちニッティングバードが編集に携わりました。宮田さんは家庭用編み機を使い始めてはや5年。編み機の歴史や新しい変化、どんな過去があって今はどんな状況なのか、時代とともに変化する家庭用編み機の楽しみ方を研究家としての目線も含めご紹介して行きます。●家庭用編み機ってなに? みなさん家庭用編み機をご存知ですか?家庭用横編み機は略して「家庭機」と呼ばれています。 祖母や母親が使っていて...

ナイキテックニットウィンドランナー~横編ニットのスポーツウェア~

スポーツ製品に横編ニットの成形とリンキング今回は「Nike Tech Knit Windrunner-ナイキテックニットウィンドランナー」をご紹介します。「NIKE TECH KNIT-ナイキテックニット-」は新素材の糸を使用し、通気性と保温性を兼ね備えた、機能性とデザイン性を融合させた革新的な横編みニットの製品です。ナイキのデザイナーを筆頭に、糸の専門家、プログラマー、技術者が集結して新しい世代に向けたテクニカルなニットウエアの開発に力をいれています。ナイキテックニットは、14時間以上の動作においても保温性と通気性の両方を確保し、機能性だけでなく着用時の美しさ...

ニットスニーカーの進化 アディダス編

今回は「ニットスニーカーの進化 アディダス編」について話します。前回の「ニットスニーカーの進化 ナイキ編」を読むとさらに理解が深まります。addidas original Tubular Doom Primeknit Reflections Packaddidas original(アディダスオリジナル)のTubular Doom PK(チュブラードゥームPK)を紹介します。90年代のランニングテクノロジーとタイヤのチューブから着想を得て開発されたチュブラー。今年に入りアディダスはDoom(ドゥーム) 、Defiant(デファイアント)、X(エックス)、...

ニットスニーカーの進化 ナイキ編

昨今のスニーカーブームの一つのトレンドとして、「一体型ニットアッパー」を採用したスニーカーが増えてきました。 特にNIKEとadidasは最新技術の1層構造のニットを使用した製品に、NIKEは「Flyknit(フライニット)」、adidasは「Primeknit(プライムニット)」と名付け、お互いが競い合うように新製品を出しています。今回はデザイン、素材、生産プロセスなどを考慮して作られている「ニットスニーカー」のお話をします。ナイキフリー5.0フライニットアッパーがニットは珍しい?スニーカーのアッパーがニット製品なのは10年以上前から存在しますが、それはT...

究極のワークコート KNITOLOGY(ニットロジー)

ニットプロダクトブランドのKNITOLOGY(ニットロジー)について話したいと思います。 KNITOLOGY(ニットロジー)とは?2013年秋冬にデザイナー鬼久保綾子が立ち上げた、「女性のためのニットコート」一型のみから始まったニットウェアブランドです。ブランド名は“ knit + logy“とニットとロジー(学問)を組み合わせた造語で、「ニットロジー = ニット学」と謳い、実験的に模索しながら、ニットを学問のように追求していきたいという想いが込められています。現在は一型目の「ニットコート」の他に、二型目の「ニットジャケット」の...

株式会社ニットマテリアル(山梨)

山梨県甲府市にある「株式会社ニットマテリアル」様についてお話しします。「株式会社ニットマテリアル」は平成22年11月創業の『ニットの専門的総合マテリアル』の企業として従来の縫糸商、原料糸商、服飾資材商の枠を超えた会社としてニットに付随するありとあらゆるものを扱い、ニットアパレル、ニットメーカー、工場等にサポート的な役割をするスペシャリストとしてニットの関係者に多大の支持を得ています。 株式会社ニットマテリアルが取り扱っているモノ ニット用原糸・ストレッチ糸・ミシン糸ニットマテリアルは日本中の糸商社のニット用原糸・ストレッチ糸・ミシン糸などを主に取り扱っています。ニットは糸の...

横編ニット+異素材の可能性と分析 ★前編★

「*横編ニット+異素材の可能性」についてをお話しします。増えてきた「ニット+布帛」の製品 ここ数年で「ニット+布帛」は一つのトレンドで、異素材同士をドッキングした製品はかなり増えてきました。異素材ドッキングとして提案することで他の商品との差別化しやすく、またハイブリッドな感覚が今の時代感に合っていると思われます。しかしながら多くは、横編ニットではなく丸編で編まれたニット組織の生地(ジャージーやスウェットのような裏毛)と織組織をドッキング縫製した製品です。(丸編ニット+布帛)ブランドとしてニット製品三型から始まり、「ニット+布帛」使いに定評がある、パリコレクションに参加...

カンブリア宮殿 島精機製作所の回

2016年1月21日にテレビ東京より放送された「日経スペシャルカンブリア宮殿ものづくりの世界のファッションを変えた"和歌山のエジソン"」を観ましたか?株式会社島精機製作所様にはニットの製造・生産するものとして間接的に大変お世話になっています。 工業機の生産に関わるニットデザイナーとして、OEM(外注)として工場とブランドの間に立つものとして、島精機の横編み機をプログラムし編み立て出来る人として、三つの立場から番組を観た感想と見解をお話して行きます。  カンブリア宮殿の放送内容 和歌山にある創業54年の世界的な機械メーカー島精機製作所名だたる高級ブランドが...

HINAYA KYOTO プロデュース Knittingbird(田沼英治)ポップアップストア

HINAYA KYOTO様にプロデュースしてもらい、阪急うめだ本店1階で家庭用編機で作ったストール、マフラー、ショールのニットのポップアップストアをいたします。普段はうめだ阪急では、10階スークの方でお世話になっておりますが、今回は1階で単独の催事をさせていただきます。今回のニットアイテムはすべて一つ一つ家庭用の編み機で作っており、それぞれ形や混率が違う1点モノになっています。また、HINAYA KYOTO様より提供していただいたシルクの糸や、ニット工場の残糸を集めて制作をしたため、シルクやメリノウール、モヘア、カシミヤなどの糸を使っているのにもかかわらず、かなりお求めやす...