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紡毛糸と梳毛糸

羊毛や獣毛(カシミア、モヘヤ、アルパカ、アンゴラなど)をどのように紡績したかにより、「紡毛(ぼうもう)糸」と「梳毛(そもう)糸」と糸の呼ばれ方が違います。
それぞれの違いについてお話しします。

紡毛糸

紡毛はで短い毛足の原毛を紡績して糸を作ります。
繊維の方向が一定でなく、太さが均一ではなく、糸そのものをやわらかさ生かして撚り甘く仕上げている糸がメインです。
一般の人が想像する毛糸と呼ばれるものがこれにあたり、糸の表面がふわふわして毛羽立っていて保温性に富んでいます。
また起毛加工にも向いており、二次加工によって毛をさらに出すことで風合いが増します。
ピリング(摩擦により繊維が絡み合って毛玉が出来る事)により毛玉が出て来ても、最初から糸の表面毛羽立っていますので梳毛の糸よりは目立たないです。

梳毛糸

梳毛糸は毛足の長い原毛を引き揃え、短い羊毛を取り除いて紡績します。
紡毛より、梳毛の方が紡績工程が多いです。

繊維の方向が一定で、糸の太さ均一で紡毛糸に比べ糸の撚りは強めしており、 毛羽がなく滑らかでの光沢感がありますのでウール100%の糸でもツルツルしています。(触り心地は羊毛や獣毛とは思えないほど滑らかな糸が出来上がります)

紡毛糸と紡毛糸

梳毛糸は紡毛糸に比べ紡績工程が多いため同じ混率の糸でも値段が大幅に高くなっています。
カシミア製品に至っては同じ100%カシミアでも1kgあたり、10000円以上違う糸も存在します。
また基本的には太番手での梳毛糸は組織状作るのが難しいので、細い糸では梳毛糸は沢山ありますが、太い糸は紡毛の糸の方が多いです。
撚糸により糸の強度は紡毛よりよち強いため、ピリングは起きにくいですが、糸の表面ツルツルしているので毛玉が出来た場合紡毛糸より目立ってしまいます。

紡毛糸はフカフカと毛羽立っている糸なので、真冬に使えるようなセーターや、ローゲージのセーターに多く使われています。

梳毛糸はセーターは見た目がよりシャープに上がり、機械編みで編まれた薄手のセーターも多いので、冬だけでなく、春や秋などむけのデザインも多いです。

デザインや作る製品によってそれぞれにあった使い方がありますので「紡毛」「梳毛」それぞれ素材を生かすようにそれぞれ使い分けてデザインをしましょう。


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