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ニットスニーカーの進化 アディダス編

今回は「ニットスニーカーの進化 アディダス編」について話します。

前回の「ニットスニーカーの進化 ナイキ編」を読むとさらに理解が深まります。

addidas original Tubular Doom Primeknit Reflections Pack

addidas original(アディダスオリジナル)のTubular Doom PK(チュブラードゥームPK)を紹介します。

90年代のランニングテクノロジーとタイヤのチューブから着想を得て開発されたチュブラー。

今年に入りアディダスはDoom(ドゥーム) 、Defiant(デファイアント)、X(エックス)、Nova(ノヴァ) と4タイプのチュブラーを発表しました。

両足

チュブラー1

ニットアッパー+リフレククション素材

アッパー紐。
アッパーは様々な人の足にフィットする最先端の編み込み技術「プライムニット」を使用しています。
一層構造で編んだスニーカーより糸や度目(編む強さ)を調整していて、より柔らかいアッパーになっています。
アッパー全面と紐の一部を反射糸(リフレクター)を使い高い視認性を高めています。
反射糸は高級素材のため、織ではなく横編機で編むことで限りなくロスを少なくしています。

足首
チュブラードゥームはミッドカット仕様になっていて、踝ソックスを履いているような足全体を包み込む一ようなフィット感が出ます。
足首部分はアッパーと違い、反射糸は使用せずプレーティングでゴム糸を這わせ、度詰(編む強さを強く)のリブ仕様にしているので、よりキックバックが出るようにしています。

ウエストゴムとネオプレーン素材

EVAまたアッパーの甲部分には、包帯のように平ゴム(ウエストゴム)のような素材がクロスして、アッパーのフイット感を高めています。さらに、ネオプレーン素材を両サイドとヒールケージに使い安定感を高めています。

ソール
ソールは「二重構造の密度を持つEVA(エチレン・ビーニル・アセテート)アウトソール」。
このソールは登山やトレイルラン用としても使われるソールで耐久性にも優れさらには、ポリウレタン素材のソールとは違い加水分解による劣化は起こりません。
軽量かつ弾力性にすぐれ履き心地と革新的なデザインに仕上げています。

進化が止まらないニット製のフットウェア

前回のナイキのフライニットのような一層構造のニットスニーカーは、靴下のように柔らかくしすぎると、靴としてのアッパーの耐久性がなくなってしまうので、編み方や素材(化繊などのストレッチがきく糸)でキックバックが出るようにある程度の硬さは保っていいます。

また今回紹介したチュブラーのようなアッパーがかなり柔らかいタイプは、足首まで伸びているリブニットとクロスしたウエストゴム、両サイドとヒールケージにあるネオプレーン素材でデザインと共にアッパーの強度を高めています。

最近ではアディダスが世界初のシューレースなしのスリップオンタイプのサッカースパイク「エース 16+ ピュアコントロール FG/AG」を発売しました。

このスパイクはニットスニーカーと同じように一本の糸で編み上げられたプライムニットで全体を構成し、伸縮性と共に樹脂フィルムのコーティングにより耐久性や形状維持性をも追求しています。

このように、「編んだ」だけの構造ではなく、様々な素材や二次加工との組み合わせで革新的なデザインと機能性を出しています。

スニーカーだけでなくサッカースパイクまでニットの技術が使われ、ますますニット製のフットウェアの進化に目が離せません。