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オリジナル房耳糸「ドキドキ」の新色が出来ました


ニッティングバードのオリジナル房耳糸「ドキドキ」が再入荷、数量限定で新色が追加されました。
新色と言っても「生産過程で偶発的に生まれた色」を採用し、「染色」とはまた違った方法でつくられたモノを販売開始しました。「ドキドキ」がどのような過程を経て糸になるのかを順を追って背景をご紹介します。

房耳糸「ドキドキ」は織り機から生まれる

糸というのは様々な行程を経て糸になります。
最近では、手紡ぎや手染めなども一般的に認知度も上がり、手芸をする人たちにとっても大変身近になってきましたが、それでも原料の糸や原毛などは工場の機械が加工し最終的に私たちの手元に並びます。

昔から「ミニ四駆」や「ラジコン」などの改造が出来る機械が大好きで、「編み機」やその他「撚糸機」「リリアン機」などの機械を工場で見る度に一種のときめきを覚えています。ニットデザイナーとして、生産に関わることをどこまで知る必要があるのかわかりませんが、機械の特性や背景を知ることよりデザインの幅が広がったり、まだ誰も見たことのない新しいものを作れる可能性が広がるのも事実です。

ニッティングバードのオリジナル房耳糸「ドキドキ」は播州織で有名な兵庫県西脇市に機屋を構える「大城戸織布」に作ってもらっています。

房耳(ふさみみ)』とは「捨て耳」とも呼ばれ、シャトルを使わない『レピア織機』などの高精度織機で織り生地を作る際に、横糸をカットをして折り込みするための生地の両端の耳糸が房状になるものを指します。

基本的にはこの房耳は廃棄として処理されるので、生地を織る際にコストとして加算されています。過去には『房耳』は水分吸収が良いということで揚げ物をする時の新聞紙の代わりに使われたりして来ました。

廃棄にはもちろん廃棄コストもかかりエコではありません。その捨てる部分に糸としての価値を見出し、機屋さんに『房耳』を発注して買い取ることでエシカルな消費と、なおかつ面白い糸を提供出来るのではないかと思いオリジナル糸として販売することを決めました。

初めてこの『房耳』に出会っときに思ったこと

初めてこの『房耳』糸に出会ったときは、「なんて触り心地の良いフェイクファーのような毛足のある糸なんだろう」と思いました。

普通のファイクファーの糸はアクリルやポリエステルなどの合繊が使われ天然素材の毛足が長い糸はほとんど見かけません。合繊繊維のフェイクファーは、毛皮に似せるというよりは毛皮にはない発色や柄を表現しているのが特徴です。最近では毛皮に近いフェイクファーは沢山出てきましたが、天然素材を使ったの触り心地の良いフェイクファーが作れたらなと面白いなと思っていました。

この『綿100%の房耳』はハンガリー犬の『コモンドール』ような、まるでモップをかぶったような毛並みを表現したような編み地を作ることが出来ます。

『編み機』を使用するのではなく、『織り機』の端材を使ったということで、編み物の糸には中々ない生地を裂いて編んだ「裂き編み糸」のような独特の風合いがあるのが『ドキドキ』の特徴です。

従来通りのフェイクファーの糸を作る方法でリリアン編み機を使用しコットンの糸で編むことで、同じような糸を作ることは出来きますが、偶発的に出来たものに愛着が沸いてしまい、廃棄として扱われていたモノがこんなに魅力的な糸になるってのはなんだかドキドキしますね。

カラー展開がなく、『生成り』しかなかった理由

糸の染色には大きく分けて2つあります。
一つは『トップ染め』と呼ばれる糸になる前のワタの状態で染色する方法ともう一つは、『後染め」と呼ばれる糸の状態で染める方法の2通りです。

「ドキドキ」の場合、生地を生産する際に常時使用する「生成り」の色味を作ってもらい、ニッティングバードの糸として採用して来ましたが、この生成りの糸を後染めで染色してしまうと『ドキドキ』の風合いを損なうので後染めという手段はとっていません。

今回追加の3色はこの色味で『織り生地』の生産があり、その分の廃棄の房耳糸として偶発的に出来たものなのでかなり希少価値の高い色味になります。

赤×白が交互になっている2.5c幅のボーダーピッチの『ドキドキ』

生成りと一緒に編んでみましたが、派手な配色でも使い勝手は良さそうな組み合わせです。
バックのようなアイテムもふかふかして使いやすそうですね。
こちらは生成りと違い別仕様により240gが1巻になります。

ライトーベージュの『ドキドキ』

ライトベージュは生成りに比べややコシがあり編みやすく、しっかりとした編み地に仕上がります。
こちらも生成りと違い別仕様により240gが1巻になります。

パープルの『ドキドキ』

パープルも素敵な色味で生成りのようなナチュラルな色になかった作品が作れそうですね。

『ドキドキ』は超極太の糸なので指編みやジャンボ編みがオススメ

『ドキドキ』は超極太の糸でとても触り心地がいいので指編みにオススメです。針を使った時には体験できない編み心地が手に伝わってきます。編み物は道具を使わなくても出来るというのは素晴らしいですね。毛足が長いので間違ってもほとんどわからないので、初心者が編んだ作品もそれが味や個性になります。

極太のかぎ針を使った場合は、まっすぐ編んで長方形や正方形のラグも作るのも良いと思いますが、中心から編み始めてビックサイズのドイリーのように空間を開けたラグマットもこの糸の特徴を最大限に引き出してくれます。

コットン100%なのでお家にあるコップに合わせてコースターにするのも○。
もちろん1目1段が大きいのですぐに仕上がりそうですね。

オリジナル房耳糸「ドキドキ」のオンラインでの販売はこちらから→コットンファー糸 / DOKIDOKI どきどき 260g巻き

執筆者 Knittingbird田沼


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