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アイスランドの伝統ニット「ロピーセーター」の特徴を解剖

今回は前回のカナダの伝統ニット「カウチンセーター」に続いてアイスランドの伝統ニット「ロピーセーター」の特徴を話していきます。

今回は中崎町の古着屋Marche(マルシェ)にご協力をいただき「ロピーセーター」を提供していただきました。

Marche homme
Marche femme

ロピーセーターといえば丸ヨーク

LOPI(ロピもしくはロピー)は甘撚りの羊毛のことを指します。

ロピーセーターはフィッシャーマンセーターと同じようにアイスランドでは漁師の必需品として長年愛されています。フィッシャーマンのような「防水性」を重視して羊の脂を残した糸ではなく、太番手のロービング(甘撚)で編まれています。
伝統的なロピーセーターは原毛を生かした色味が多く、アイボリー、グレー、ブラウン、ブラックと染色していない羊毛が使われてきました。

ロピーセーターといえば求心編みで編む「丸ヨーク」が有名です。一般的なセットインスリーブや、ラグランスーリブと違い、袖の肘上から身頃が一体になっていて「丸ヨーク」の柄が前面に出るデザインになっています。

編み方と編まれる順序。

「ロピーセーター」は機械編みの「ホールガーメント」のようにとじはぎがなく、筒状に編まれています。

袖口、裾口からそれぞれ輪編みで編み出します。
*裾から編み出すのではなく「襟ぐりから編み出す方法」もあります。

見頃と袖の目を拾いヨーク部分を編んでいきます。


ヨーク部分は引き返しをすることなく、「分散減目」をして傾斜を作っていきます。

マチ部分の数目はメリヤスはぎをして釜底を綺麗に始末します。

柄の特徴


袖と裾口のゴム編み部分すぐ上と、丸ヨーク部分に編み込みの柄が入っています。


普通の「編み込み模様」と一緒で一段に2種類の糸を組み合わせることが多く、一般的なボーダー模様ですが

大自然あふれるアイスランドは、山(シェブロン」)モチーフのギザギザ・ジグザグした柄が多く使われていて、一部の柄はグリーンランドに影響されているといわれています。

丸ヨーク=アイスランドのロピーセーター

「ロピーセーター」の特徴は理解出来ましたか?

袖、裾、襟ぐりの一目ゴム編み以外は表編みで編まれている比較的シンプルなセーターですが、ヨーク部分を一番のデザインポイントとして編み込み模様を入れることにより他のセーターの特徴にはない魅力があるのが「ロピーセーター」です。

このロピーセーターの代名詞とされる「丸ヨーク」は現代にもデザインとして多く使われ、アレンジが加えられニットのデザインに影響を与えています。

今回ヨーク部分で触れた「求心編み」「分散減目」はまた別で詳しく説明していきたいと思います。

次はセテスダールコフタを中心とした「ノルディックセーター」の特徴を追っていきたいと思います。

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