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天竺(メリヤス)のカーリングの特性。既製品のセーターから学ぶ技術と理由

編み物の「編み方・編み地」の名称で一番ベーシックな天竺(メリヤス)編み。

とてもシンプルな編み地で、人々から愛されるベーシックな編み方のひとつになっています。

そんなポピュラーな編み地とは半面、カーリング(丸まって)しまう特性があります。

何故カーリングが起こるのか。カーリングをとめたり、狙ってデザインるためにはどうしたらよいのかを考えていきます。

機能美や特性を元に工業のニットデザイナーから、ハンドニットをする人まで知識として理解できるようにまとめました。

「カーリング」があなたの引き出しの一つになったら編み物をより楽しめますしデザインの幅が広がることは間違いなしです。

カーリングとは?


カーリングとは天竺編みを編んだ時に、上下左右の端がまるまる特性のことを指します。

これは天竺編みの形成するループの力が働き、編み方向を上とした時に、上下の端は「表天竺方向」に、左右の端は「裏天竺方向」に丸まります。

カーリングの強さは、「糸の撚糸の強さ」「糸のキックバック(戻る力)」「編んだ時の強さ(度目)と面積」に比例します。

天竺のままカーリングを止めるには、編み地そのものを樹脂でコーティングする、熱融着糸を使って溶かして固めるなどの方法があります。

前者は丸編みのTシャツ生地端に樹脂を打って丸まりを防止のたまに使われています。後者はニットスニーカーのように硬さを保つために機械編みで編んだ後により硬くするために、溶かして固めて使用しているので、どちらも一般的ではなく無理やり固めることなのでお勧めできません。

あくまでも「カーリング」は特性でデザインのひとつでありメリットとして使うようにします。

一般的なセーターのデザインから考える

一般的なセーターを読み解いていきたいと思います。
裾や袖口、襟ぐりにゴム編み(リブ)をつかっているのは何故でしょう。

1.デザイン的な側面

2.機能的な側面

3.カーリングさせないため
 の三つの大きな要素が挙げられます。


天竺部分でも「とじ・はぎ」しているところはカーリングしません。襟ぐり、袖、裾口はデザイン的な要素と機能的な側面でゴム編み(リブ)が使われていることが多いです。

また、ゴム編み(リブ)を使うことでカーリングを抑える働きがあります。

編み始めを表天竺で使用したい場合は、工業用編み機でつくられるセーターの場合「袋天竺」として編み出しをつくり、二重構造にすることでカーリングを止めることができます。

工業用編み機の場合は、丸編みのように筒で作ったり、表側と裏側交互に編んで「袋天竺」を作りますが、片番機のみ家庭用編み機をの場合「ダブル」という被せる方法で作ります。出来上がりは同じに仕上がりますが、手作業のできる家庭機だからこそ使える技のひとつです。

端の処理

カーリングは天竺を平面のみで使ったときに起きる現象なので、工業用のニット製品(機械編み)の端には総針と呼ばれる1✖︎1のリブ(ゴム編み)より目の詰まった始末が使われています。

手編みだと、手芸屋さんの「糸の編み地見本」でもみたことがあると思いますが、ゴム編みより、「ガーター」編みでカーリングを抑えるのが一般的です。

カーリングを止めるために裾や端をゴム編みやガーター編みにしても、カーリングの強さがより強い場合止めることがができない場合もあります。

「撚糸やキックバック」など糸そのものが、天竺のカーリングの強さをより加速させる場合は対処が難しいですが、ゴム編みやガーターの面積(目数・段数)を増やす、天竺部分の度目(編む強さ)を緩くする、天竺部分の面積を減らすなどしてカーリングを弱めることができます。

カーリングを生かしたい!


天竺編みのみでは、カーリングを狙って使うことができず、ブロッキングなどで一時的に弱めていても、着たり洗濯する過程でどんどんカーリングの幅が増えてきてしまいます。

そのため、裾や袖口にカーリングを狙って使いたい場合は裾口に数センチ天竺編みを編み、その後にゴム編みやガーター(カーリングしなく厚みが出てしっかりとする)を使うことでカーリングを生かしたデザインができます。

*糸や編む強さ、天竺の幅によっては「ゴム編みやガーター」が負けてしまうので試編みをおすすめします。

表天竺からゴム編みに行く間に数段だけ裏天竺を入れても○

襟ぐりの仕様では、同じように「天竺」→ゴム編み(リブ)もしくはガーターと使用しますが、工業用セーターでは「袋天竺」で編んで縫い代を隠すように「ハサミリンキング」が使われることが多いです。

手編みでは難しい仕様ですが、機械編みでする場合とてもきれいに仕上がるので覚えておいて損はないです。

カーリングはデメリットではない

編み物(ニット)においてカーリングはメリットとして使うのがデザインの基本です。

糸そのものに特性があるように、編み地そのものにも特性があり、それぞれの良さや最適解を知ることで、カーリングや斜行、フェルト化など一見デメリットと思えることを利用してデザインの一つにしてしまうのも編み物の楽しさの一つです。

普段何気なく着ているセーターも、デザイン的な面、機能的な面など、何故この部分が「この編み方で編まれているのか」と考えてみると、必然とそのようなデザインや仕様になっているのがわかるようになります。


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