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ニットの成形・縫製方法とロス率

ニットの成形・縫製方法とロス率」について話したいと思います。

ニットの成形・縫製には編地やデザインに合った様々な方法があり、それによって「糸ロス率」も違って来ます。*糸ロス率とはニットを成形、縫製するにあたって捨てなければならない糸量を指します。

 

1  成形



 

目を増減して身頃、袖を形作る。前身後、後身頃、袖×2、襟を編立、それぞれのパーツをリンクングで縫製。これは一番スタンダードなニットの成形、縫製方法であり糸ロス率は3%くらいと言われています。リンキンングは基本的には端の目を拾い縫代なしで縫うのでごろつきません。成形できる糸と編み方を前提にしていますので、糸はゾッキ(1本で編む)、天竺やリブをメインに使った王道の編み方で良く使われます。

 

2 半成形

 

半成形は、身頃の肩先から上、袖山を真っすぐ編立、肩傾斜や襟ぐり、袖山のみをカットしてから縫製する方法です。(赤い部分がカットする部分)肩の縫い代を薄くしたい時や、成形ではできない形を出す為に部分的にカットが使用されます。糸ロス率は20%くらいです。機械編の場合、襟ぐりを成形しながらだと型の傾斜をあまり出すことをできないためこの手法がとられる場合があります。

 

3 流し編

 

目数の増減を行わず、長方形に編みカット。本縫いミシンによりパーツを縫製。限りなく布帛に近いですが、布帛とは違い、編み出しや脇はそのまま使用し、袖ぐりや襟ぐりなどの部分的にカットにより成形されます。(赤い部分がカットする部分)分厚い編地でリンキングによる縫製が困難な時や目減らしによっての成形では困難な時にカットが使用されます。糸ロス率は38%程度と言われています。 この編み方は、糸種類が多く成形が上手くできない場合、工場によってはカットのみ(襟ぐりのみリンキング)しか受け付けてくれない所もあります。

 

4 ホールガーーメント

 

ホールガーメン トは無縫製なので、カットや縫製箇所がいらず、糸ロス率は1%程度と言われています。

 

 

 

ニットは布帛とは違い、カットを多様しないので、無駄や糸のロス率を下げる事が出来ます。また、ホールガーメントに至ってはロス率が1%程度ということでエコで生産的な製品と言えます。ニットはアパレル産業の中でも秀でて伸びて来ている分野であり、近年プロダクトとして可能性も考えられていて、これからがどう進化して行くのかとても楽しみな産業の一つと言われいます。