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菅野繊維株式会社(福島県)

福島県二本松にあるニット工場「菅野繊維株式会社」を取材して来たので話したいと思います。

 

福島県二本松市にある「菅野繊維株式会社」は昭和三年に創業しました。ハイエンドの婦人ニットを中心に福島県においてニットの草分け的なメーカーとして設立された会社で、横編みの成形物が伝統的に強く、風合いを重視した加工物を多く取り扱っています。また、外注比率の高い工場で、協力工場に外注することにより、生産性と専門性を上げています。パリコクションに参加している世界的に有名なブランドのニットもここで作られていました。

 

 

菅野繊維株式会社の菅野社長は初めての取材でたどたどしい僕に、ご丁寧に会社とニットについて説明していただきました。また菅野社長は福島県ニット工業組合の理事もしており、福島のニット産業を積極的に盛り上げるためにニットフェアや展示会など福島を盛り上げようと精力的に取り組んでいます。

 

 

ニットのCADをプログラミングする職人さん。自動機で編立するため必要なプログラムをコンピューターで入力し、自動制御をして自動機本体に読み込ませます。

 

 

自動機が普及する以前は、この昔懐かしい手動式編機(手横)が活躍してたそうです。今でも職人さんはこの手横や家庭機などの編機も動かす事が出来るそうです。

 

 

自動機を動かす職人さん。菅野繊維株式会社は3ゲージから12ゲージの島精機製作所の自動横編機械を使っています。

 

 

 

糸を編立するために絶対必要な撚り(撚糸)をするための機械が多く並べてありました。

 

 

 

震災後作られた福島ニット工業組合の吊札です。 「We Love Knit  We Love Fukushima」と「がんばろう、福島。がんばろう、東北。がんばろう、日本。」と書かれており、震災の被害にも負けず福島のニットの良さとメイドインジャパンこだわりを大切にする気持ちが伝わって来ました。

 

東北地方の被災地にある工場は震災によるダメージを受けているのではないだろうかと取材前に想像していました。しかし実際に取材をした2つの工場(菅野繊維株式会社と次回掲載の株式会社大三)では工場内の放射線量の測定や被災地の産物に対するイメージの悪化からくる風評被害はあるものの、震災による工場の生産機能に関する被害はほぼありませんでした。

 

僕が工場を取材して感じた事は「震災があったから立ち上がろう」というよりも、ニット工場の海外進出など日本国内でのニットの生産が落ちている背景の中で、「純粋にニットの作製に情熱を傾けたい」「国内のニット業界を上げていきたい」といったとても強い意志でした。

 

Knittingbird(ニッティングバード)ではこれから日本のニット業界を活性化していくためにも、もっともっと多くのニット関係の工場、糸商、OEM、学校、デザイナーなどを取材させていただきたいと思っています。

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