工業用糸とコーンについて学ぼう!
玉巻きやかせの状態の販売している「手芸糸」の他に、工業の糸としてコーン(紙管)に巻かれている糸を見たことありませんか。
手芸糸も元々は工業糸と同じように、紡績のや染色の段階でコーンに巻かれ、その後小分けされます。
それでは工業用糸とコーンについて学んで行きましょう。
●糸を巻き取る角度が違う●
糸を巻く機械(ワインダー)の種類や紡績・染色の工程によってコーンは形や素材が異なって使われます。
また、コーン自体の小径部内径(先の細い方)と大径部内径(根元の太い方)の大きさが異なり、
この大きさの違いで『糸を巻き取る角度』が変わり、巻ける糸量や巻く強さなどが変わってきます。
丸井繊維機械のポーダブルワインダー
「5°57のコーン」
「9°15のコーン」
「3˚30コーン」
「5˚51コーン」
糸会社によっても糸を巻く機械(ワインダー)の種類が異なり、それによって使用する紙管の大きさも異なります。
●手編みをしている人なら見たことがある「玉巻き」も実は・・・●
家庭用に使われている、糸を玉状にするための手動の機械「玉巻き機」も実はそれぞれ角度が違います。
左からブラザー、クラウン工業製、ダルマ糸(横田㈱)の玉巻き機です。
家庭用玉巻き機も、コーン巻と同じように角度があるため玉の形や、巻ける糸量、巻く強さなどが違うというのは工業用のワインダーと共通しています。
繊細な糸にはフワッと緩く巻ける機械と紙管(コーン)に変えている会社もあります。
●オートコロ紙管と空気精紡機●
先ほど紹介したコーン紙管は主にリング精紡機で使われるコーンです。
円筒状のオートコロ紙管は、空気精紡機(オープンエンド精紡機)で使われる紙管です。より効率的な精紡機でサンプル作成などに向いています。
*空気精紡機(オープンエンド精紡機)は空気の流れで撚りをかける機械。
●染色のためのチーズ木管●
チーズ木管は「チーズ染め」するために使われるコーンです。
このコーンに色が入っていない原色のL/W(ローホワイト)の糸を巻きつけ、チーズ染色をします。
木製の他に紙製やプラスチック製性も存在します。
●ミュール紙管とミュール紡績機●
リング紡績機より古い旧式の「ミュール紡績機」で使われるコーンです。
生産性の高いリング紡績機にくらべ各種作業が断続的でとても手間がかかります。
そのため、糸独自の膨らみと柔らかさを表現できる紡績機です。
●ペーパーペンと紙管容器●
再生紙を利用して作られているボールペンやシャープペンの芯入れを作っている工場もあります。
エコマーク商品にも認定され、プラスチック部分の芯以外の本体は再生紙で作られているため、エコロジーで販売促進のノベルティとして人気があります。
●まとめ●
このようにコーン一つをとっても様々な種類と使用方法があります。
玉巻の状態の糸も独特で綺麗ですが、コーンの状態で飾ってあるのもとても魅力的だとおもいます。
あなたがもっている工業糸のコーンはどんな形状していますか?