ニッティングバード久しぶりの家庭用編み機(以後家庭機)の記事です。
これまでニッティングバードは「家庭用編み機と歴史」や現在でも編み機を使用してアーティストなどを多数紹介してきました。
今回は初心にかえり、「家庭機の各部名称」を覚えながら、編み機を始めるセッティングをしていきましょう。
まだまだ、押し入れや物置に眠っている家庭機があるのではないのでしょうか。
今はほとんど販売されていない家庭機の復活を願いながら家庭用編み機についてまとめました。
今回紹介する家庭機はBROTHERのKH-891パリエーA(エース)という名器です。
ブラザーが家庭機を生産しなくなる前に、最後に量産していた編み機KH-892パリエーA(エース)2の一つ前の型になります。
今週土日にニッティングバードの新しいアトリエでニットパーティーを行います。そこでも編み機のワークショップも用意していますので気になった方は是非。
家庭機の各部名称
編み機は大きく分けて、Kキャリジと本体に分かれます。
Kキャリッジ
Kキャリッジはキャリッジ本体の部分と、銀色の編み地押えの部分に分かれます。
編み地押えは外せます。
編み地押え
キャリッジがスライドして、編み地を押え安定させて新しい目を作るのに必要な押え。
編目ダイヤル
糸の太さに応じて編目のゆるさ(度目)を決めます。数字が大きく(最大10)なればなるほど荒くゆるい編み地に、小さくなればなるほど(最小0)になればなるほど細かい(目の詰まった)編み地になります
段数系レバー
本体についている段数系にあたりカウントします。
ボタンもどしレバー
押してあるカムボタンを解除して戻す役割です。
引き返しレバー
引き返し編みの時に使うレバーです。
スレッド刷毛車
スレッド編みをするために別糸を押えてくれる役割。
スレッドレバー
普段はひらあみにセット。スレッド模様を編む時にスレッド刷毛車だすレバー。
選針切替えツマミ
ひらあみ・レース、模様編み、ワンポイント、キャリッジ外しの4つ選ぶことができます。
ハンドル
写真は倒れている状態。これを上にあげて持ってキャリッジを左右にスライドさせます。
カムボタン
タック、模様編み、すべりと3種類の編み方を変えることができます。タックとすべりが2つボタンがあるのはどちらか編む方向の時だけそれぞれの編み方を指定できます。
編み地押えツマミ
キャリッジと編み地押えを一緒にさせるのに必要なツマミ。
糸口レバー
糸をセットするための開口レバー。地糸と色糸の2種類入れることができる。
本体
部品立、補助部品立て
部品を入れておけるところ。
ニットリーダー
専用のシートにパターンをかき編みながら確認ができる。
シート送りレバー
シートを送るためのレバー
パンチカード
カード送りボタン
パンチカードを送るためのボタン。
カード送りツマミ
パンチカードを送ったり戻したりできます。カード送りボタンとセット。
カード差込口
パンチカードを差し込む口。
ストップレバー
パンチカードの動きを変えることができます。2段ごとにパンチカードが動くように設定すると絵柄が縦伸びします。
指示マーク
クシバ
編み地を抑える役割。
後レール
キャリッジをスライドさせるレール。
ミゾ板
針が設置されている場所。
補助レール差込口、補助レール受板
補助レールを取り付ける場所です。針を最大幅で出した場合やキャリッジを2つ使用する場合は補助レールにキャリッジを休めることができます。
段数計
段数計
段数をカウントする3桁の数字。999の次はゼロに戻ります。
段数系作動レバー
Kキャリッジの段数計レバーが当たり、段数計をカウントします。
編み針
押せ棒を外すと簡単に出し入れすることができます。
折れたら交換する消耗品です。
家庭用編み機で始めるまでのセッティング
①編み機とテーブルの固定
フタを外し、編み機本体をテーブルの真ん中の手前に置き、本体とテーブルをー取り付け金具で2箇所固定します。
テーブルが厚すぎると、取り付け金具をつけれません。また、編むときにかなりの力がテーブルに伝わるのに、できる限りテーブルはしっかりとした(できれば重い方が良い)ものを用意しましょう。
②編み地押えをKキャリッジにつける
Kキャリッジの「ツマミ」を緩め、編み地押えを水平にしながら奥まではめ込んで再度「ツマミ」を締め付けます。
本体からKキャリッジが外れていた場合
>本体からKキャリッジが外れていた場合は「選針切り替えツマミ」をキャリッジ外しに回して置いて、後レールと水平になるようにスライドさせながら上にのせます。しっかり乗ったのを確認できたら、「選針切り替えツマミ」をひらあみ・レースに回すとキャリッジが本体に固定されます。
糸取付装置を設置
畳んである糸取付装置を広げます。
糸取棒を本体の糸取棒穴に入れます。このとき糸取棒の上下を間違えないようにしましょう。
糸かけが上向きにある方と逆の方を糸取棒穴に差し込みます。
糸取りアームと糸取りバネもしかっリ止まるまであげてカチッと音がするところまで持ち上げます。
しっかり設置できるとこのようになります。
しっかりセットできましたか?
ここまで大丈夫でしょうか?
一家に一台花嫁道具として「ミシン」と「編み機」があった時代から月日が経ち、編み機の方が廃れてしまった背景には、ミシンと違い、編み始めるまでのセッティングに知識と経験がより必要とされたからと言われています。
編み機はセッティングや糸の選定など難しい部分もありますが、編み始めてしまったら手編みより速くとても面白いおもちゃのようです。
次回は実際に「編み機で糸を使って編み始める!」という流れを見せていきたいと思います。
今週の土日2018年11月10日11日はニッティングバードの新しいアトリエでニットパーティーです。編み機のワークショップも行いますので是非遊びにきてください。