ニッティングバードから新しいタイプのアップサイクル糸『まさか』新発売しました。
一期一会糸。コットンファーふさ耳「どきどき」。オーガニックコットン100%Tシャツヤーン「しっくり」。に続きアップサイクルな取り組み第4弾です。
今回の糸は、コットンファーふさ耳「どきどき」と同じような織生地のふさ耳ですが、洋服生地のふさ耳ではなく
ジャカード織で「傘」に使われているポリエステル生地のふさ耳になります。
今回の「傘のふさ耳」はご縁があり山梨県の「槙田商店」さんご提供いただいております。
槙田商店とは?
『槙田商店』は1866年創業。山梨県西桂の地で日本製ジャカード織の美しい傘、そして甲斐絹の高い技術を継承した先進的な服地を作り続けている会社です。
西桂町・郡内地域と織物産業の活性化に力をいれてものづくりにこだわっています。
生地の生産と傘の製造を両方できる珍しい工場を持ち、自社で企画、製造、販売をしながら発展して来ました。
槙田商店の傘で使われている布は、繊細な模様も大胆な絵柄も、富士山の雪解け水で鮮やかに染められた糸を織ったジャカード生地です。
服地づくりで培われた技術と傘を組み合わせることで他にはない傘を生み出してきました。 それを様々な木型に合わせてパーツにカットし、縫製し、組み立て、ひとつひとつすべて職人たちの手で仕上げられます。
また今回の「傘のふさ耳」の品質や希少性はとても納得いくものですが、それ以上に槙田商店の理念の「商品やサービスを常にお客様の立場に立って考え続け、そしてその考えをもとに商品を創り上げ、満足して買って頂く」という素晴らしい考えを持っている会社と関われることに感謝しかありません。
糸について
この糸は槙田商店が傘の生地をジャカード織で生産する際に「偶発的に出来た糸」です。
『ふさ耳(すて耳)』とも呼ばれ、シャトルを使わない織機で高精度織機で織り生地を作る際に、横糸をカットをして折り込みすると生地の両端の耳糸が房状になるものを指します。
基本的にはふさ耳は廃棄として処理されるエコではありません。
そんな傘生地のふさ耳をを初めてみた時に、『槙田商店』が作る先染ジャカード生地の品質の良さと、センスある色や柄の組み合わせもあって廃材なのにとっても魅力的に見えます。そんなオリジナル生地は世界のトップブランドからも支持されている所以ですね。
『ジャカード織り』の配色や切替の美しさ、ポリエステル生地の独特の光沢や深み、編み物の糸としては珍しい生地を裂いて扁平の「裂き織りの糸」のような風合いは唯一無二で、糸としての価値を感じました。
また、『ふさ耳』を資材として買い取ることでエシカルな消費と、なおかつ面白い糸を編み物や織物をやっている方にご提供出来るのではないかと思いオリジナル糸として販売することを決めました。
販売は120g〜巻とアソートパックに分かれています。
単体での購入は「チェック」「配色」「単色」タイプに分かれています。少なくても120gあり多い場合は150gほど入っています。
糸の幅は16mm〜20mm前後になっています。また生地の両端をカットする際に必要な小さな穴が空いております。
アソートパックは3〜6個に小巻された糸が1セットで合計200g以上になっています。
色味や柄はランダムなので選ぶことができません。また、アソートパックは単体購入とは違うタイプ(色や柄、幅など)も混じっていることがありますのでご了承ください。
この糸は指編みや棒針・かぎ針で12mm以上の極太の針をお勧めしています。
また手編みだけでなく裂き織りの糸として使うことも面白い面白いです。
写真のバッグは指編みで細編み(かぎ針編み)を編んでいるだけのアイテムです。100g以下で簡単に編むことができます。
糸は傘で使用するために防水・撥水などの後加工をしていますが、カットする際に穴をあけていることもあり完全な防水仕様ではありません。
また、密度を詰めて織っているため、普通の生地よりほつれにくくなっていますが、編んだり、作品を使用したり、洗ったりするうちに経糸が出てくることもありますが、経年変化として捉えてご使用ください。
「傘のふさ耳」の品質や希少性はとても納得いくものですが、それ以上に槙田商店の理念の「商品やサービスを常にお客様の立場に立って考え続け、そしてその考えをもとに商品を創り上げ、満足して買って頂く」という素晴らしい考えを持っている会社と関われることに感謝しかありません。
回の糸の販売に至り、
株式会社槙田商店の関係者並びに常務取締役の槇田洋一様、
装いの庭の藤枝大裕様に大変お世話になりました。
ご尽力いただきありがとうございます。
執筆者 ニッティングバード田沼