ニットの「度目」について話したいと思います。
度目値と度詰・度甘について
ニットのループの目の大きさの値を「度目値」といいます。
数値が大きくなるほど目が大きくなり(粗く)なり、小さくなるほど目が小さく(詰まる)なります。
度目が粗くなっている事を「度甘」小さく詰まっていることを「度詰」と呼びます。
手横や家庭用編機の場合度目値は1目毎に変更する事は基本的にはできず(工業機や手編みは可能)、1段毎の変更は可能です。
(工業機の場合はプログラミング、家庭機の場合はダイヤル、手横の場合は蝶ねじにて度目の調整を行います。)
*機械編で度目値を変更する際は、1の違いではあまり変化しないので2〜3ぐらい+-します。度目値を詰めすぎると針が折れる恐れがあるの注意が必要です。
度目を変えるだけでも編み地は変わる
度目値は糸の種類、性質の違いによって変わります。
標準は適正の度目値によって編地を作るのが一般的ですが、わざと度詰や度甘で作る事もあります。一目ごとに度目を詰めたり、甘くしたりして編んだ編み地を「度違い」といいます。編み方は表天竺ですが、編む強さで目の大きさを変えているためリンクス柄の鹿の子柄のように見える)
また、ボーダーのように数段ごとに度目を詰めたり、甘くしたりして編んだりすることも出来ます。(度違いのボーダー)
機械で編んだ製品は、成形や縫製後、ほとんどの糸の場合「ソーピングや縮絨(しゅくじゅう)」をして風合い出しをしますので
度目値の決定は経験が必要と言えるでしょう。(ウールの場合若干甘く編んで、縮絨して目を詰まらせたりします)
適正度目を知ること
手編みも機械編みも、糸の太さや、糸の混率による「適正度目」を知ることで製品の質を上げることにもつながります。
デザインだけを先行して、着る時に肩などの、重さや伸びのかかる場所を、甘く編みすぎたりすると、穴が空く原因になったり、伸びすぎて着ることが出来なくなる恐れもあります。
また、糸の撚り(撚糸)が甘い糸は、もとからピリング(毛玉)が出来やすいので、甘く編んだ方が触り心地が良いからと言って耐久性を無視することは出来ません。
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