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「サンプル依頼」ニットデザイナーになってまず始めにやること 

この記事は「「糸の選び方」ニットデザイナーになってまず始めにやること」の続きになっています。
編み機

工場(OEM・商社)のサンプルを参考にする *サンプル依頼編

工場(OEM・商社)が作成したサンプルを参考に、編み地やシルエット、仕様などベースにしてサンプル依頼をします。

前記事に、「糸1本から一人のデザイナーがすべてを指示するのが、横編みニットの面白さであり難しさである」と記述しましたが、

経験の少ないデザイナーは出来上がっているサンプルを参考にして少しずつ理解力を上げるのもひとつの手です。

サンプルを参考にすることでその工場の製品クオリティーもわかり、見積もりなど必要な情報がわかる為、スワッチやサンプルを何度も上げる手間が省けます。

手間や時間が省けるという点から、生産期間が短い場合はこの方法がリスクも少なく安全です。

また、ホールガーメントでは編みのデータを作るのにお金がかかりますので、工場に既にある形から修正をしていった方が、1からデータを作るよりも安く出来ます。

OEMや商社では製品の展示会を企業に提案するために行っています。
今のトレンドにあったモノや、その工場の特性を生かせそうなデザインをピックアップすることをお勧めします。

●編地依頼やサンプル依頼の必須事項●

横編のニット製品は糸ありきですが、その糸を使って編める機械を工場が持っていない事には依頼も出せません。

・何を得意としている工場(OEM・商社)なのか?
・何GG(ゲージ)の機械をもっているか?
・成形やカットどのような縫製が出来るのか?
・インター編みやジャガード編、多色使いはどのくらいまで出来るか?

など工場の背景を把握するのもニットデザイナーの仕事の一つです。

●量産の最低受注枚数●

工場によって1型の最低受注枚数やサイズ展開、色数はどのくらいまで発注できるか違います。
新規のブランドが始めて取引する工場には特にこの数を確認しないと継続した取引は見えて行きません。(最低枚数が1型30枚~の場所もありますが、基本的には1型100枚以上ないと工場の利益にはつながりません)

サンプルだけ作成してもらったが、没になり量産が出来ない」ということが極力ないようにしましょう。

また前もって、納期・予定枚数・希望見積り等連絡しておく必要があります。

●仕様書の必要記入事項●

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デザインが決定した後、サンプルを作っていくときに必要になるのが仕様書(依頼書)です。
仕様書にデザイン・サイズ等必要事項を記入して、工場へ依頼します。
(*仕様書については後日また詳しく書きます。)

・品番 
・糸 
・ゲージ・本取り 
・編組織
・形(パターン)
・サイズの測り位置(仕様書の絵(パターン)に書き込み
・寸法(着丈・身幅・肩幅・裾幅・袖丈・AH・袖巾・袖口・天巾・前下り・後下りその他デザインによって寸法記入)
・衿や袖口、裾の始末の仕様(難しい場合は図も表記)
・デザインによって仕様を記入

ニットは1回目のサンプル(1stサンプル)の上がりがあまりよくない場合も多い為、
(経験が少ない人がサンプル依頼をすると、工場に上手く伝わっていなかったり自分の想像通りにできなかったりします)
会議や撮影、展示会等使用する前までに再サンプルと修正を繰り返し、時間があるようなら、編み地を編んでもらい⇒1st依頼⇒2nd依頼するのが理想とされます。

●サンプルUP期間●

1stサンプルが上がるまでに、少なくとも4週間前後が必要です。
(早い場所では2週間の場合もありますが、時間に余裕を持って依頼をしましょう。)

海外の場合は輸送時間も必要なため国内よりもさらに時間が掛かります。
また、糸のストック場所と工場の場所が遠方の場合や、刺繍等編立後の加工が入る場合もさらに時間が掛かってきます。

●サンプルが上がった後の計測●

1stサンプルが手元に来たら、まず重さと・サイズを測ります。

製品の重さと、実際使った糸の重さ(目付は)、ロス分量や、縮絨・ソーピングをしているために違いますが、サイズに対しての目安としてきちんと重さは測っておきましょう。
サイズ通り上がっているのかのチェックします。

次に、デザインの検討をして気になるところを修正していきます。
着用後に伸びた場所もきちんとチェックしておきましょう。
ローゲージのものや重さのあるもの、着丈の長いもの、ガーター編みなどタテに伸びやすい編地などは着用で着丈が伸びやすい為、平置きした場合と着用での寸法差を把握しておき、さらに2~3日吊るしてどれだけ着用で伸びるか確認が必要です。

メジャー

●見積り●

1stが上がってきた段階で、工場の見積もりを確認しておきます。

値段を下げなければいけない場合はこの時点で糸を変更したり、編地や仕様を変えたりして安くなるようにします。仕様が難しくなったり、着丈や身幅の寸法が大きくなったり、変更がある場合は見積もりにも影響しますのでその点も考えながら修正をします。

目付(1着当たりの仕様糸量)もどのくらいになるか確認しておきましょう。糸値が高い場合は直接見積もりにも関わってきます。


次回はその「③サンプル修正と量産編」に続きます。 
written by shoco


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