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編み地組織を学ぶ。「天竺」「リブ(ゴム編み)」「ガーター」

編み物(ニット)は基本的には表編みと裏編みの組み合わせで出来ています。

そんな表編みと裏編みを組み合わせるだけで見た目や、伸縮性、特性が変わるのがニットの醍醐味です。

手編みが好きな人も機械編みのニット製品に興味がある人も、ニットの三元組織で出来た代表的な編み地の特性を知ることで

そこで使われている編み方の必然性が理解できると思います。

表目と裏目を編める人は是非編んで比較するのをお勧めします。

天竺


天竺は平編やメリヤス編とも呼ばれ、縦、横方向とも同じ「編組織」が連なった編地です。

編み物を知らない人でも、Tシャツ素材や、セーターでも見たことがあるのでは。
使われることが最も多いベーシックな編地です。

編地の特徴としては表側にくるりとカールし、表と裏で見え方が違います。

表側を「表天竺」裏側を「裏天竺」と呼びます。

10目10段の大きさ:12c✖︎13c(縦✖︎横)

リブ(ゴム編み)


リブは手編みでは「ゴム編」とも呼ばれ、縦方向に編組織が連なっている編地です。

写真は1目ごとに縦に連なっているので1目ゴム編み(1×1リブ)です。表も裏も同じ見え方です。

手編みでは、2目ゴム編み、ブリオッシュ編みなどがあります。

機械編みでは2×2リブ、2×1リブリブ、ワイドリブ、総針、畦、ミラノリブなどがあり、それぞれ見え方、伸縮率などが違ってきます。

10目10段の大きさ:10c✖︎9c(縦✖︎横)

ガーター(パール編み)


ガーターはパール編とも呼ばれ、横に編組織が連なっている編地で、1段ごとに表目と裏目が交互に編まれる編地です。

表も裏も同じ見え方です。

10目10段の大きさ:9c✖︎13c(縦✖︎横)

3種類の編み地を比べてみると

三元組織の「天竺」「リブ」「ガーター」をそれぞれ10目10段で編んで見ました。

同じ目数、段数でもこんなに違うという比較のため5c✖︎5cの正方形を置いています。

天竺

リブ、ガーターの編み地に比べると一番平面的で、糸量が一番かからない編み地です。

天竺だけだとカーリング(丸まって)してしまいます。

リブ

編地の特徴としては横方向に伸縮します。天竺より厚みが出てより安定感が増します。

普段着ているセーターでは袖口、裾口の部分で使われます。

この理由としては、天竺を全部に使ってしまうとカーリングしてしまうのと、リブ(ゴム編み)を使うことでフィット感が生まれより着やすくなるからです。

2目ゴム編み(2×2リブ、2×1リブ)になるとデザイン的に見た目が変わるとともに伸縮性も弱くなります。

手編みでする場合、ゴム編み独自の作り目や始末をすることで、伸縮性のある編み出し編み終わりをすることがあります。

ガーター

編地の特徴としては縦方向に伸縮します。

天竺、リブ(ゴム編み)より厚みが出やすい編地なので、主に前立てやなどの付属やマフラーなどの小物に使われることが多いです。

全体的に使う場合としての注意点として、ガーターはローゲージ(太番手)で使用すると糸量が増え重みが出やすくなります。

このため、重さにより編地が伸びてしまい、サイズが狂いやすくなったり、着丈が変わったりしてしまうので注意が必要です。

3種類の編み地を比べてみるとそれぞれの特性がわかりなぜ、普段着ているセーターの細部に

表と裏の組み合わせで「見た目」だけでなく伸縮性や厚みも変わり

これによって値段やデザインが変わっていくのがニットのデザインの面白さです。

技術的にもっともっと掘り下げて行きたいと思います。