編み針のひとつ「魔法の1本針」を知っていますか?
普通の棒針の針の約半分の長さに、紐が通してあり、そこに目を通しながら編んでいきます。
元々は、2本の棒針を使いこなすのが難しい初心者や障害者の方のために開発された編み針で、1本針でも簡単に棒針と同じような編地が編めるように開発されました。
海外では、ヌック(Knook)と呼ばれ、その針を使って編むことをヌッキング(knooking)と呼ばれています。
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●魔法の1本針の使い方●
魔法の1本針はフックのついた針(かぎ針のように)の根元に穴が空いていて、その穴に編みコードを通して使用します。
かぎ針のように鎖編をしていき、
アフガン針のように目を針にかけて行きます。
編み目は紐の方へ落ちて行きます。
後は棒針のように天竺目を編んでも、かぎ針やアフガン針の様に使ったり自由自在に編めます。
●魔法の1本針のメリット・デメリット●
-メリット-
初心者に嬉しいのは、編んだ目が針を通り紐に入って行くので途中で編み目が落ちる心配がないことです。
片方の紐の先に(輪編みをする時は両方の)クリップを止めておけば問題ありません。
クンスト編みや靴下などの輪針や棒針が4本、5本と必要な場合も魔法の1本針ならこれ一つで編めます。
また棒針で小さな球を編む場合も、かぎ針と同じ要領で編めるのでとても編みやすいです。
切り替えなしで棒針編みでしか出来ない表現、かぎ針編みでしか出来ない表現が出来ます。
-デメリット-
魔法の1本針で棒針編みをする場合、かぎ針やアフガン針のように目をすくって1目ずつ編むので慣れないと目の大きさが安定しづらいです。
また、裏目を編む時に編みやすいように編むと1段下がねじれて、ネジリ目のようになってしまいます。
●特殊な編み図●
魔法の1本針は棒針編み、かぎ針編み、アフガン編みの3種の編み方が混在しているのでやや複雑です。
同じ段で違う種類の編み方(道具別の)をミックスするときには「目の高さ」に気を付けましょう。
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●魔法の1本針の可能性●
「魔法の1本針」はもともとは編物が苦手な初心者のために作られた道具ですが、編み物上級者にこそおすすめしたい編み針の一つです。
パプコーン編みを使ったセーターなどは、主に棒針を使いつつ、パプコーンを作る時のみかぎ針に持ち替えて編みます。このように時々かぎ針を使う編み地や、一段ごとに編み方を変える場合は「違う針に持ち変える」だけで済んでしまいます。
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「魔法の1本針」の最大の魅力は、かぎ針以上に自由度が高く、1目ごとに、棒針編み、かぎ針編み、アフガン編みと三種類の異なる道具の編み方が出来るのでとても複雑な編み地も作ることが出来る事です。
棒針編み、かぎ針編み、アフガン編みの特性を振り返って、「魔法の1本針で」よりオリジナリティのあるあなただけの「編み物」の可能性を追求してはどうでしょうか?
「魔法の1本針」が気になった人は
「手編みの種類と道具について」と「伸縮式両かぎアフガン「メイビ針」」の記事も他の編み針について書いてますので是非一読を。