アームニッティング(腕編み)は道具を一切使わず、糸と左右の腕全体を使ってスポーツのように編み進めていく「編み物」です。
アームニッティングは超極太の糸で編むので、1目1段が速く初心者も始めやすいという側面もあれば、編み目が大きいということもあり「編み物経験者」が再度「編み構造を理解」することもできると思います。
今回は「アームニッティングの基本と応用」として、初心者にも始めやすい編み方や、編み物を普段やっている人も応用や編み構造の確認ができるように写真と動画でまとめました。
記事と一緒に動画を見ていただけたらより理解を深めていただけると思います。
手編みとの違い?
アームニッティングは手編みの「棒針編み」と同じ編み組織を編みます。
棒針編みは端まで編んだあとに裏返しをして逆側を見て編んで行きますが、アームニッティングは編み目が常に左右どちらかの腕にとまっているので、常に同じ面を見て編んでいきます。
また腕を棒針を見立てて編んでいくので、調整をして緩く編むことができますが、きつく編むことと、目数を増やすことは限界があります。緩く編んだ方が編み目も大きくアームニッティングの良さは出ます。
アームニッティングの基礎
アームニッティングの作り目
●くさり編みを作り目を拾っていく方法
かぎ針でくさり編みを作っていくと同じように目を作っていく方法です。
初心者の方や糸が太い場合にはこの方法がおすすめです。
作りたい目数➕1目くさり編みで作り目を作り裏山を拾って目を拾っていきます。
作り目が5目出来た状態です。ここから左に目を移しながら編んでいきます。
糸が細い場合や糸の本数が多い場合は「指でかける作り目」で作りましょう。
初心者でも編みやすい方法
目がある方の腕で新しい目を作ってから、逆の手に移していく方法です。
目が止まっている腕の方(写真の場合右手)で糸を掴み
右手の一番手前のループを落として
新しいループを作り
真正面から見てこの目を左手に移す。
一連の流れは動画で確認できます。
一段編み終わり端の目から往復するときにループのどちら側から腕を入ればいいのか混乱しないように説明しています。
引き抜きの仕方(最後の始末)
糸を1段編める分量を残して、2目同じように編みます。
2目編んだうちの最初の目の方をつかみ
2目目に重ねるように落とします。
すると目が落ちて1目めが止まります。
1目になったので、もう1目普通に編んで2目の状態にして同じように引き抜きを繰り返します。
最後の目になったら糸を引き抜きて終わりです。
動画では右手に目がある時と、左手に目がある時両方でんの引き抜き編みの仕方を説明をしています。
アームニッティングの応用
度目(目の緩さ)の調整
アームニッティングではこの編み目のループの大きさで度目のが決まり、詰まった編み地や緩い編み地を作ることが出来ます。
腕を棒針の太さに見立ててるアームニッティングでは、新しいループを作った後に糸を端を引っ張りループの大きさを腕の太さに合わせることでより詰まった編み目にすることが出来ます。
また、あえてループをゆるく編むことで緩い編み目にすることも出来ます。
男性の腕の太さで編むとより緩い編み地にすることができます。
ゆるく編むと隙間は出来ますが、ザクザクとした編み目はアームニッティングの良さの一つでもあります。
表編みと裏編み
表編みと裏編みを編む場合は、「目がある方の腕で新しい目を作ってから、逆の手に移していく方法」ではなく「目を逆の手に移してから、新しい目を作っていく方法」を取ります。
アームニッティングで裏編みを編めるようになれば、一段ごとに表編みと裏編みを交互に繰り返し「ガーター編み」を編むことができます。
また一目ごとに表編みと裏編みを交互に繰り返せば「1目ゴム編み」も。
腕を使わずに編んでいく
腕を使って編んでいく「アームニッティング」は棒針編みと同じように、目数を増やすことに限界があります。
棒針編みは、長い針りや輪針り、4本針/5本針などを使用することにより目数を増やすことが出来ます。
アームニッティングでは糸が太く目が落ちづらいので、平面に置いて編むことで目数を増やすことができます。
アームニッティングは腕の太さで度目(編み目の緩さ詰まり具合)が決まってしまいますが→(棒針編みは針の太さで調整)この方法をすることで、ループの大きさを自由に調整できるのでより目が詰まった編み地を作ることができます。
普通の手芸糸を引き揃えて
アームニッティングは無理に太い1本の糸を使う必要はありません。
2本以上の糸を引き揃えて編むことを「交編(こうへん)」と言います。
お家にある、中太以上の糸や余っている糸などを2本以上引き揃えて使いオリジナルの編み地が出来るのは「編み物」の良いところです。
本数が増えすぎたり、あまりにも細糸が増えると編みづらくなってしまうので注意が必要です。
また、引き揃えてもあまり糸が太くない場合や、本数が増える場合は「指でかける作り目」の方がやりやすいです。
いろいろな側面を持つアームニッティング
アームニッティングは「初心者が始めやすい」というのはもちろん、
「編み物経験者も編み構造を再度理解する」というのが伝わりましたでしょうか?
アームニッティングを覚えることで、編み物を始めるきっかけになったらという思いと、編み物経験者の方たちが普段の編み物とアームニッティングを組み合わせて新しいモノが出来たらと思っています。
手編みには、棒針編み、かぎ針編み、アフガン編み、指編みがありそしてアームニッティング(腕編み)などもあります。
編み物の種類を知るほど、編み物の奥深さと色々な可能性を感じることができます。
一つの作品に色々な技法が交じることでもっと面白いモノが生まれることでしょう。
今回使っている糸グレーの糸はニッティングバーど「オリジナルスライーバー糸WAKUWAKU(ワクワク)」を使っています。
このアームニッティングで使われているオリジナルの毛糸「ワクワク」の通販はこちら。
http://proef.ocnk.net/product/180
オリジナルスライバー糸「ワクワク」が出来るまでの物語の記事はこちら
https://knittingbird.com/2016/10/18/4265/