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手織りのスペシャリスト、天然素材のオリジナル糸専門店「東京アートセンター」

東京アートセンターとは?

『東京アートセンター』は創業42周年(2017年現在)迎える、東京都銀座に店舗を構える「オリジナル糸専門店」です。天然素材のみを取り扱いをして手織り専門とする傍ら、一部手編みなどにまつわる材料や道具の企画・制作・販売をしています。

今回は取材を受けていただきありがとうございます。東京のニットの専門学校に通っている時に何度か糸を購入させいただいていました。普通の手芸店にない糸があり前々からご紹介したいなと思っていました。東京アートセンターはどんな方が来られますか?

-服飾専門学校の学生さんや手織りを趣味とする主婦の方、それからテキスタイルを専門とする先生が来られますので年齢層は幅広いです。手編みの方もたまに来られますが、綿・麻・絹・ウールの天然繊維のみの取り扱いで手織り上級者向けの糸が沢山あります。生成りの糸もありますので染色ができる糸もございます。

天然繊維のみとは素晴らしいですね。お店はどのようなコンセプトで販売や教室を行なっていますか?

-私どもはオリジナル糸を取り扱っていますので、お客様が織りのテキスタイルを制作するにあったって、そのアイディアに対して形にするためにどんな糸がいいのか、どんな道具や技術を使って作ればいいのかアドバイスさせていただいています。またアイテムが決まっていてもどんな糸を選定したらわからない人のためにも「テキスタイルのプロ」としてそれを形にするための糸の選定や、「ものづくり」をご一緒にお手伝いさせていただいています。

-ご提案させていただいている作品サンプルにつきましてはレシピをご用意させていただいています。

手織り教室の場所と内容はどのように行なっていますか?


-手織り教室は5F・6Fにあります。週に「16クラス」あり時間帯と講師、使う織り機の種類によって分けています。個人レッスンですので、タペストリーからマフラーショールその人の技量やご意向に応じて対応させていただいています。またアートセンター直営の手織教室として茨城県に水戸校、川崎・八王子・大宮・横浜にはよみうり日本テレビ文化センターでの教室があり、町田ではよみうり文化センターでの教室もやっています。

技量に合わせた個人レッスンなら様々な人が参加しやすいですね。教室も銀座だけでなく沢山あるんですね。織り機は全部で何台くらいありますか?

-織り機は卓上のものから、組み立て式の大型のものまで合わせて全部で220台くらいあります。一日では終わらなく継続して使用するのでお一人一台ずつキープしています。展覧会のための制作でしたらかなりの時間をかけて作りますからね。


-卓上と違い大型の足踏みタイプは速く織ることが出来て、最大織り幅も長く、綜絖枚数も多くいろいろな組織を織ることが出来ます。日本製とフィンランド製がありどちらも購入することが出来ます。


-創業以来継続しているオリジナルレギュラー紡毛糸1/3・3/3を始め、梳毛タイプ、紡毛タイプ、ストレートヤーン、シルクの形状変化したもの、シルクのギマ加工など多種多様の糸を用意してます。。順レギュラー糸に関しても30年以上継続している糸もあります。編み物で使ったり、初心者の方は比較的扱いやすいウール2/4梳毛のウールなどをオススメしています。編み物の場合フワッとした肌触りの糸が多いと思いますが、織りの場合縦糸と横糸を馴染ませ、絡ませて「面」にするというのが大事で「面に」になった時の擦れや曲げなど運動量に耐えるテキスタイルになるための糸の強度があることが大切です。

なるほど。元々は手織りをするために開発された糸たちということですね。

-糸とは何を作るという目的が本来あり作られていますが、織りだけなく編み物にも使っていただける糸もあります。


これは唐織用の緯糸を手染めした、絹100%の段染糸です。


-インドネシアのバリで生産した「バリバティック」と呼ばれる綿100%の布を裂織用に正バイヤスにカットしたテープです。


-こちらはインドシルクです。サリーで使う糸の残りを撚っています。ノリでかためたような感じなのでゴワゴワな風合いですが、艶と色の魅力は他にはありません。

面白い糸が沢山ありますね。織り物もやってみたいと思いますが、早速編み物で何を作れるか想像してしまいました。編み物の道具も置いてあるんですね。

ほんの一部ですが、生産がストップしてしまった最高級竹針『TOP』というメーカーの編み針などが置いてあります。

主催しているテキスタイル展について教えていただけますか?

-手織り教室に参加されている生徒さんが展示する「テキスタイル展」は一年おきに開催され、今年で20回目になります。2017年5月30日〜6月4日まで東京都銀座画廊・美術館8Fで開催されました。
大勢の方々がご来場されまして、皆様からご好評頂いております。また、今回の出展作品をまとめました「テキスタイル展 記念作品集」を㋇初旬頃に販売予定となっております。店頭・HPにてご注文を承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。

1年おきに開催をしている理由は何かあるんですか?

1年ごとに『テキスタイル展』と『海外研修旅行』を交互に実地しております。海外研修旅行は織物を学ぶ中でデザインの素晴らしさに感銘を受け、現地への研修旅行を企画し、織物にご興味のある方々と講師陣で北欧・南欧・東欧のヨーロッパ・アメリカ・中央アジアと巡って参りました。2016年はメキシコでの国際絞り会議(ISS)に参加し、メキシコの織物文化を​研修しに行きました。

現地でしか学べないこともありますからとても有意義な活動ですね。

今後の活動や方針をお聞かせください。

-色々な人に対して東京アートセンターの素材を使って、織物でどのようなことができるというの提案させていただきたいのと、作る楽しさと使う喜びを体験していただきたいです。世界で一つだけのものを作るというのではなく、皆様に共感していただけるようなものを作って仲間を増やしたいと思っています。そのための材料を、私たちなりに良いものを提案できたらと思っています。織物の教室に関しても、前に進んでいる皆様のご要求に答えれるように、手作りのものというのは世界的にも減っている中、人が人として生きている中で手作りというのはいい部分だと思うのでちょっと忘れている心のゆとりを思い出していただければと思っています。
ご自分のものを作り続けている方、販売される作家の方、先生としてご教授されてる方も、いろんな形で皆様が継続出来るようなお手伝いが出来たらと考えています。

天然素材の材料の宝庫

東京アートセンターの代表の『わたなべ ひろこ』さんは多摩美術大学の名誉教授であり、一般社団法人日本テキスタイルデザイン協会の理事でもあり日々テキスタイルを一般に普及するために力を入れています。

東京アートセンターのメインは「織り」をするための糸たちばかりですが、編み物でも使える糸も沢山あり、普通の手芸店や編み物用の毛糸では得られないようなインスピレーションが湧くような体験が出来ます。

学生時代東京アートセンターに行くことで、糸そのものを知り、新しい創作の可能性が広がるということを体感できました。また、織りだけはなく、編みでもなく「糸を魅力を引き出すため」にどんな技法が必要かと考えることでより手作りの魅力にはまっていくような気がします。

〒104-0061 東京都中央区銀座 3-11-1ニュー銀座ビル 4F
TEL: 03-3546-8880
FAX: 03-3546-8881
E-mail:info@artcenter.co.jp
糸ショップ :4F 手織教室 :5F・6F
営業時間:10:00~19:00(土曜日~17:30)
定休日:日曜・祝祭日セール期間を除く)

地下鉄 銀座線・丸ノ内線 「銀座」A12・A13 出口より徒歩5分
JR 山手線・京浜東北線「有楽町」中央口より徒歩8分