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セーターの顔「ネックラインのデザイン」を解説! vol.1

世界には様々なデザインのセーターがあります。

特徴的な糸や、編み方、形など様々な要素が重なって伝統的なセーターや、一般的なセーターができていますが。

ここではセーターの顔となる「襟ぐり(ネックライン)のデザイン」焦点を当てて解説していきたいと思います。

襟(カラー)と思い浮かべるとと布帛(洋裁)のYシャツが一般的で、
セーターを作る際にYシャツの襟と同じような仕様ニット製品をつくることが出来ますが、今回はセーターにおけるベーシックな襟ぐり(ネックライン)の「」や「デザイン」についてお話しします。

また、襟ぐりを編んだり、付けるための細かい仕様は「vol.2」で説明したいと思います。

手編みなどのハンドニットをやっている人、ニットデザイナーとして工場に依頼する人にもどちらにも役に立つ情報をお伝えします。

襟ぐりのデザインってどのように決まる?

襟ぐりは襟の横の長さを示す、「天幅」、縦の長さを示す「下がり」、襟の幅を示す「襟幅」の三つの大きさで決まります。

※伸びたときのサイズ=襟伸長 が、56c以上必要(レディースの場合)です。また、ニットは伸びやすいので、大きく作るより、伸びることを前提にサイズを設定して作ります。

ラウンドネック


「ラウンドネック」その名前の通り丸首タイプの一番ベーシックなネックラインのことです。多くのセーターがの襟ぐりにはこの形が使われています。 天幅の長さ、前下がりの長さ共にバランスが取れたネックラインになっています。

クルーネック

「クルーネック」はラウンドネックの一種で、前下がりがより短く、ラウンドネックより襟がぐりが詰まった印象を受けるデザインです。

Uネック


「Uネック」はラウンドネックの一種で、前下がりがより長く、Uの形に見えることからそう呼ばれています。卵型になると「オーバルネック」とよばれる襟ぐりのデザインになります。ラウンドネックをより深く設定されていることから、首が長く見れる効果などもありますが、深すぎるとバランスが悪くなるので注意が必要です。

vネック


VネックはVの形をしたネックラインの名前です。胸元に行くにつれ、鋭角になるデザインになっています。丸首の次にメジャーなネックラインです。

スクエアネック


襟ぐりが四角い形になっているネックラインの総称です。ネックラインに4辺があることを前提を襟をつけます。Vネックのようにしっかりと角度をつけないと四角くなりません。また襟のパーツも一つだけでなく複数で構成されます。

ボートネック


「ボートネック」天幅が広く、前下がりが浅く設定されているネックラインです。船(ボート)の形に似ていることからそう呼ばれています

マリンテイストでよく使われる襟の形なので、ボーダーTシャツなどの丸編みのカットソーでよく見るデザインです。

タートルネック


首にぴったりとして亀の首のようなネックラインになっているものを「タートルネック」といいます。縦に長い襟がつけられており、基本的には折り返して使用します。

首回りに沿わずゆとりがあるものはオフタートルネックと呼びます。

ハイネック


ハイネックは首に沿っているネックラインで、折り返しない立ち襟になっています。2目以上のゴム編み(ワイドリブ)にするとデザインが生きるネックラインです。

モックネック


ハイネックの一種で、タートルネックより天幅が広めに設定され、折り返さず、立ち上がりの長さが低いものを「モック(タートルネック)」と呼びます。ここ数年の襟のトレンドになって定番的なデザインになりました。

カーディガンネック


カーディガンネックは前開きになって前立てがついているネックラインの総称です。大きく分けてV型になっているものとクルーネックになっているものの2種類があります。ボタンで止めるタイプの前立ては、ボタンの大きさより幅を出して作ります。

ネックラインで学ぶ編み物(ニット)のデザイン

手編み(編み物)は一般的なデザインは限られてくるので、ネックラインが変わるだけで、ここまで印象が変わるのはとても面白いですね。

ネックのデザイン以外にも、全体のシルエット、袖の形だったりとセーターのデザインの要素を決めることはたくさんありますがプルオーバーのセーターでまず見てしまうのがこの「ネックライン」なのでとても重要な要素を占めています。

今回は「ネックラインのデザイン(形)」を簡単に説明しましたが「Vol.2」では細かい仕様のこと話していきますので楽しみにしていてください。

執筆者 ニッティングバード田沼