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極太も編める!ブラザーの太糸パンチカード編み機パンチナイン(KH-260)

brother製家庭用編み機
愛称 パンチナイン
機種番 KH-260
針数 114本
ピッチ 9
重さ 約18kg
全長 奥行き23cm×幅121.5cm×高さ9cm
ゴム編み機互換 KR-260
ニットリーダー互換 KL-117
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KH-260とKH-270の針は共通

brother(ブラザー)の「パリエ9(KH-260)」は太糸パンチカード方式編み機として昭和59年9月から平成15年2月まで製造・販売していました。

太機は9mmピッチで針が並び、全体で針数114本あって合太→極太くらいまで編める編み機です。

太糸が編める「ナインシリーズ」は、ナイン→ニューナイン→140目ナイン→パンチナイン→トピカルナイン(電子編み機)と進化を遂げてきました。

パンチナインは、電子制御されていない普通のパンチカード機能がついている編み機なので、複雑な編み方や柄も比較的簡単に編むことが出来ます。

ニットリーダーが内蔵されていないので、KL-117のニットリーダーを別付して使うことが可能です。

ニットリーダーは編みながら編み図を見ることが出来る装置で、目を減らしたり、複雑な形や柄になればなるほどノートを見ながらやると同じくらい今どこを編んでいるか一目でわかるので重宝します。

4.5ピッチの編み機に比べて、重量と横幅があります。

本体の横幅は120cmを越え、4.5ピッチの編み機の針押さえが1010〜1034mmになっていますが、パンチナインは1190mm必要です。

また重さも約18kgと4.5ピッチに比べ5kgほど重くなっています。

タック模様、配色タック

タックは引き上げ模様とも言われ、引き返しと組み見合わせて傾斜をつけたり。色や素材を斜めに切り替えたりもできます。

凹凸の模様になるためより立体的な編み地に仕上がります。

2段ごとに配色で色を変えるだけでも魅力的ですね。

すべり、配色すべり

すべり目は編まないで目を渡すことで、端の目に1目いれると編み地が綺麗になったりしますが全体に使うことで柄として表現することが出来ます。基本裏目側に柄が出てきますが、

配置によっては表側にできるようにデザインも出来て、2段ごとに配色で色を変えるだけでもすべり目の魅力が倍増します。

同時編みとスレッド

もちろん同時編みで配色で編み込み(ジャカード)模様もあめます。

「スレッド編み」は手編みでは再現しにくい編み方で、地糸で編んだ編み目と編み目と間にもう一方の糸を挟み込みながら編む編み方です。裏側を表として使います。配色編み込みと違い、糸の渡りと止まっている部分がデザインポイントになっています。

あみこみレース模様

パンチナインなどの編み機にはレース編みをするためのレースキャリッジがついていない変わりに、細糸と太糸を使って組み合わせの効果でレース編みのように見せる「あみこみレース」という編み方ができます。

「あみこみレース」は実際に寄せ目をして、穴を開けて編み目をつくるレース模様とは違い、目を落とすリスクが少なく、細い糸と太いとのコントラストと凹凸でそれっぽく見せるのでまた違った良さがあります。

写真はわかりやすいように地糸と色糸を変えていますが、同色系でやっても凹凸を楽しめる編み地になるのでオススメです。

太さ的には手編みで編みやすいそれでも魅力的なパンチナイン

太い糸は手編みでも比較的手軽に編めるから、家庭機の太機は必要ないと思っていたあなたもパンチナインの凄さを知ったらより欲しくなったのではないでしょうか。

手編みと組み合わせて使うと、より作品の質とオリジナリティが出るのは間違いないです。ゴム編み機を使えばさらにパンチナインの面白さが広がりますがそれはまた別の機会に。

ニッターとして生計を立てると考える時に、1目1段が早く仕上がると「太糸が編める編み機」というのは最高のパートーナーになる可能性も秘めています。

唯一可愛くないなと思うのは、重さがあるのでで毎回出したりしまったりするのは骨が折れるなということ。
ブラザーの編み機の中では「電子編み機」を除いたアナログの編み機の中で定価が一番高く、今でも高額で取引されている点です。