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ブラザー/ニットリーダー内蔵型編み機パリエ7.8

パリエ7(KH-871)は外付けタイプのニットリーダー付きパンチカード方式の編み機パリエ5の後継機として昭和53年9月から昭和55年7月まで販売していた機種です。

ニットリーダー外付け型だったパリエ5から一転、内蔵型になり、コンパクトでとても使いやすくなりました。

外付け型と内蔵型それぞれメリット•デメリットがありますので、是非こちらの過去の記事をご覧ください↓

『ブラザー家庭用編み機のニットリーダーの使い方を徹底解説』

そして昭和55年7月から昭和59年3月まで7の後継としてパリエ8が販売していました。

パリエ7とパリエ8のスペックは全く同じで、カラーが違うという点と、販売時期が違うので、後継の8の方が定価で5700円ほど高く販売していました。

パンチカードはとっても便利

パンチカード式編み機の醍醐味は、パンチカードを使って簡単に速く様々な編み方が出来ることではないのでしょうか。

実際にパリエ7と8のパンチカードの機能を使って編んだ編み地を紹介します。

同時編み込み

糸を2種類以上使って編み込み(シングルジャカード)をしたい!というときはパンチカードがあれば手軽に出来ます。同時編み込みは表天竺側を表に使って2色の柄の出方を楽しみます。

スレッド編み

全く同じ糸、同じパンチカードを使ってスレッド編みを編んでみました。スレッド編みは地糸に対して色糸を、編み目と編み目の間に引っ掛けながら、糸の渡りをそのまま使う編み方で裏天竺側を表として使用します。

こうして比べてみると、同時編み込みの裏側の糸渡りとは全く違うのがわかります。また、スレッド編みの色糸は編み機に対して適正の太さの糸より若干太い糸を編むことが出来る(そうすることで生きる)ので、色糸を2本取りして使用しています。

スレッド編みこそ家庭用編み機を象徴する(工業機ではインレイという編み方がありますが)表現技法として愛されています。

タック

引き返し編みに使うタック(引き上げ)の機能を使うと、1本の糸でもこれだけメリヤス編みとは違う凹凸のある編み方ができます。これも裏天竺を表に使います。

すべり目


普段は橋の目に使っているすべり目の技法も、編み地全体に使うと個性的に仕上がります。これもまた裏天竺を表に使います。

レース編み

パンチカードと同時にレースキャリッジを使ってできることが、レース編み(タックレース)になります。


レース編みは目を寄せて穴を開けて編むことでレースを表現できます。うつしを使って手作業で目を寄せることも可能ですが、家庭用編み機ではあっという間にできてしまいます。レースで目を寄せてレースキャリッジを動かす時と、普通のキャリッジで糸を一緒に編む時に別れるのでタック編みを組み合わせることが可能です。

家庭用編み機のレースは、手編みより均等にできてしっかり上がりますのでとてもおすすめの編み方の一つです。

添え糸模様
パンチカードとは別に、キャリッジの糸口のアッタッチメントを変えることで添え糸模様を編むことができます。

添え糸模様は2重臼やプレーティングとも言われ、2本の編糸を同時に表裏に編分ける編方で、地糸の編糸が表側に、添え糸の糸口が裏側に表れます。また、ゴム編機(KR-850以降の機種)ならゴム編み用の添え糸のアタッチメントがつけられるので、手編みのブリオッシュ編みの様に編むことが出来ます。

ゴム編みで編むことでより添え糸模様の見え方が生きます。

パリエ7と8とはパンチカード入門機として最適!

パリエ5に続きその後継機のパリエ7と8をご紹介しました。

ニットリーダーが内蔵されコンパクトになり、より使いやすくなった機種でパンチカード入門機として最適なのではないでしょうか。

すべり目、タック、編み込み、スレッドと様々な編み方が出来て、キャリッジを変えればレース編み。アタッチメントを変えれば添え糸も模様もできる優れものです。

30年以上前に発売された編み機でも、しっかりメンテナンスを行えれば現在でも使うことができます。

まだまだ家庭用編み機の可能性と楽しさを探って行きたいと思います。